ご自身のご紹介
奈良県で生まれ育ちました。「大埜地の集合住宅プロジェクト」への参加をきっかけに神山町に移ってきました。大学ではインテリアを学んでいたんですが、建築の面白さを知り、いまの仕事に就きました。
この人はどんな道具を使っていて、どんなリズムで暮らしているんだろうとか、人の暮らしというものに興味があり、住宅の設計もしている設計事務所で働いてきました。神山で、鳥の鳴き声や川の音を聞きながら仕事をして、山の風景の中に居ることの心地よさに気づきました。最近では、後回しにしていた自分の暮らす場所にも目を向けはじめています。
家づくりへの想い
間取りや機能的なことだけでなく、その人が心地いいと思える場所がある家をつくりたいと思っています。建主の方とお話をする中で、家族のときや一人のときの過ごし方を伺い、ここでくつろぎたくなるんじゃないかな、ということを想像しながら設計しています。
あとは、素材の質感や質量をきちんと感じられる使い方を大事にしたいですね。
私は、もちろん自然素材をできるだけ使いたいとは思いますが、ただ使うということではなくて。それぞれの素材に合った使い方にこだわりたいですね。自然のものでも人工的なものでも、その子自身を否定はしないけれど、その素材らしく使ってあげたい。
今は技術の進化で一見、本物と遜色ないものようにも思いますが、例えば、木のプリントでは、木の本来の質感は味わえていないはずなんです。視覚以上の感覚には訴えかけないというか。私自身、素材を感じ分けられるように在りたい。生きていく上で、大切にしたい感覚だと考えています。
人は暮らしている家から影響を少なからず受けているはずです。長く住まう家として、良い影響がある方がいい。そんな場所で暮らしてほしいという思いで設計しています。
木で建てる家の良さ
木の良さは、肌に触れたときの気持ちよさが一番だと思っています。
特に、杉材は柔らかくて、あたたかい素材なので足触りもいいし、寝転んだ時に痛くないので床におすすめです。傷つきやすい弱点はありますが、それも味になると思ってもらえたら。また、木は呼吸し続けているというところで、住まいの快適さをつくる大きな役割を持っていると思っています。
正直なところ、木へのこだわりを持つようになったのは、神山の大工さんや製材所の人達との出会いがきっかけです。その方たちの木の扱い方を学んで、知れば知るほど奥深い素材だとわかりました。
神山のような場所では、山の木は川の水とつながっていて、暮らしに直結しています。素材が暮らしと結びついている。ただ、家を建てるだけではない、暮らしとのつながりも伝えていけたら。
技術的な強み
今は、省エネに配慮した高気密・高断熱な仕様が主流です。それは機能としては大事ですが、どうしても密閉された空間になってしまいます。
昔の家は、自然の環境に合わせて、自分たちが窓を開け閉めしていました。寒かったら服を着て、暑かったら脱ぐように。家もエアコンだけに頼らず、この窓を開けると風が抜けるとか、自分でコントロールすることができる。そんな感性を持ちながら暮らせる家を設計したいと意識しています。
当たり前ですが、家は多くの人の関わりでできていて、建てたい人がいて、設計士が画を描いて、建ててくれる人がいて成り立ちます。私は、間のつなぎ役として、家づくりに関わってくれる人たちとの関係性を大事にしたいと思っています。職人さんの仕事や気づかいを建主さんに伝えることを心がけていたい。
出来上がったものだけじゃなくて、どんな風にできているのかも知ってもらう。完成したものに、大差はないと思いますが、つくり手は「このお客さんのために」とか、一方では「この大工さんがつくってくれた」と思いが通った家には、愛着や想いがつまる気がします。長いおつきあいになるので、お互いにできるだけ顔が見える関係もサポートしていきます。
家づくりをはじめる方へ
住まいを考えるいろんな場面を共にしながら、一緒に悩んだり、楽しみながら家づくりをしてみませんか。
施工事例
お問い合わせ先
事業所名 | いけべ建築設計室 |
住所 |
771-3421 徳島県名西郡神山町下分字東稲原237-3 |
電話番号 | 080-4394-5170 |
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