ストーリー
1.山へ足を運ぶ
「TurnTable」を企画する関係者の皆さんが神山町を訪問。羽田空港から飛行機に乗り、約1時間で徳島阿波おどり空港へ。空港からレンタカーを走らせること約1時間、土地の約8割が山林、人口約5000人の神山町へ到着します。町の中心を流れる鮎喰川を眺めながら林業家の待つ山へ向かいます。
2.好きな木を選ぶ
林業家の案内で、山林を巡り、杉の木々を見て歩きます。紹介した杉は、植えてから80年以上、あるいは70~60年は経っている高齢木。「ひいおじいさんとか、もっと先祖が、僕のために植えてくれたような木なんです。その後もずっとおじいさんや父が手入れをしてくれています。」と林業家の金泉さん。
3.伐採
これという一本を決め、いよいよ伐採です。木を倒す方向を見極めます。真下に倒すと材が割れることがあるため、横方向か斜め下に倒すのが一般的。重機で運び出すため、倒す方向と道路の位置関係も重要です。思わぬ方向に木が倒れないよう、しっかりとロープを掛けます。金泉さんがチェーンソーを入れていきます。
木が倒れる瞬間は圧巻。自分よりずっと長く生きてきた木の生命を絶ったことに身が引き締まります。枝を取り払い、4メートルごとに切ったら、ユンボでトラックへと運びます。
4.製材
伐採した杉は樹齢70年、高さは30mありました。製材所へと運び入れ、皮を剥ぐ作業を行います。TurnTable関係者の皆さんにも手伝ってもらいます。粗挽きした木材の断面を確認します。傷やフシのない美しい杉の断面が現れました。「僕も久しぶりに、こんないい木を見ました。中身最高です。先祖が手入れをしてくれたお陰ですね。」と金泉さん。
5.もの作り
切り出した一本をフルに使いTurnTableの内装が作り出されました。木肌の凹凸も活かした長いテーブル天板、杉の赤と白のリズム感が楽しいフローリングやベンチができあがりました。伐採を体験することで、新たなアイディアが湧き出て、当初作る予定のなかったものも作ることになったそうです。
伐採を体験して
・伐採は本当に迫力があって、生きていたものを伐ってしまったなと実感しました。丸太を隅々まで使って、長く使えるデザインを考えたい。
・当初、床には古材を使おうと思ってたんですが、伐採を体験してからは杉の赤白の木色でフロアを埋め尽くしたいという考えに変わりました。
・ひいおじいさんから何かを受け継ぐって体験したことがない。先祖が用意してくれたものを、今使うことにすごく価値を感じます。
・杉が山で生きていた証を見せたいと思いました。できればカンナとか掛けずに、ありのまま使いたい。葉っぱや枝や皮も何か使えないかな?
・こんなに杉の香りを感じたことはなかった。鳥のさえずり、声の響きなどを子どもたちにも体験させたい。また来たいと思う山ができた。