神山杉とは

神まいおりし。神山杉。

かつて女神がまいおりて阿波国を治めたという神山。
日本神話の伝わる山には、数々の神が宿りつづけています。
いま凛とそびえる神山杉は、神からのたまわりもの。

日本古代の伝説に綴られた神山町

日本神話では、穀類の祖神であるオオゲツヒメという女神が伊勢国から神山町神領におりたち、阿波国を治めたといわれています。オオゲツヒメが粟をこの地に蒔き広め、豊かな生活が営まれました。

この女神を祀る「上一宮大粟神社」は、今も荘厳な佇まいを残しています。また、古代からの深い信仰を感じさせる巨大な2枚岩のある「天岩戸立岩神社」、邪馬台国の卑弥呼伝説の残る「悲願寺」、弘法大師の四国霊場12番札所「焼山寺」など、神話や言い伝えの残る場が数多く残されています。

荘厳な自然に魅せられた人々の集まる町

神山町へは徳島市から車で約45分。徒歩の時代なら、徳島城から歩いて片道6時間はかかる道のりです。陸の孤島と思われるような地ですが、古くからなぜか人々はここへ集まりました。

山へ分け入れば、水源の神様として信仰を集めてきた「雨乞いの滝」、冬には氷瀑となり神々しく姿を変える「神通の滝」など、崇高な自然に出会います。いにしえの人々は、この山々に神の存在を感じ、魅了されたのかもしれません。

ゆたかな杉を育む瑞々しい山々

杉は霧が立つところでよく育つといわれています。神山町は降水量が多く、霧の発生頻度も高いため、色目が美しく、暖かさ・柔らかさに優れた良質な杉が生育します。

江戸時代には、神山町から徳島市まで流れる鮎喰川の水量を活かし、木材を筏で流して運搬していました。明治時代には、徳島市で造船業や木工業が隆盛。それにあわせて杉や桧の伐採が盛んに行われ、大正14年には県内用材針葉樹需要量の34%を神山町で生産したという記録があります。

戦後は、林業研修会や講習会を活発に行い、技術向上や機械化にも積極的に取り組みました。

これからが「神山杉」の旬

神山町の樹齢80年を超える高齢木の割合は、杉資源量のうち蓄積11%と県内一です。戦前に植林された杉は、80年という時を経て太く成長しており、住宅資材の主役として活用できます。

また、神山町では、戦後、全国的にみても早い時期に植林を行ったため、樹齢50〜60年を迎える杉もあり種類も豊富。まさにこれからが「神山杉」の旬といえます。

根本の太い材で柱・梁・桁などをつくり、中目材を柱・土台やフローリングとして使えば、建物全体を「神山杉」で仕上げることができます。

「神山杉」は神山町生まれの証明書つき

温暖多雨な神山町の山で育った高品質な杉材を、お客様に見えるかたちでお届けできるよう「神山杉」には証明書が付いています。「神山杉」の産地認証の証明書を添付することで、保管・製材・出荷などの際に、他産材と混在しないように管理・運用します。

森林・林業に関する技術や知恵を積み重ねた熟練者たちが事業者として登録しています。一棟まるごと「神山杉」の木材で建築し、”この家は全部「神山杉」で建てた”と自信を持って言うことができます。